セイノーホールディングス

株主の皆様へ



株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

当連結会計年度(以下、「当期」といいます。)におけるわが国経済は、海外における地政学的リスクが継続するなか、国内においてはインバウンド需要の拡大や企業による設備投資の増加により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の長期化や人件費の増加により個人消費は力強さを欠き、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。

当社グループの主要な事業にあたる輸送業界では、国内貨物輸送量が前年を下回るなか、ドライバー不足や労働時間規制への対応に加え、エネルギー価格の高止まりなど、企業活動を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続きました。

このような環境におきまして、当社グループは、成長と適切な資本政策によるPBR1倍超の早期実現及びROE8.0%以上を目指し、3年目となる「中長期の経営の方向性~ありたい姿とロードマップ2028~」のもと、事業基盤である特積み事業の優位性を維持しながら、重点施策として掲げるロジスティクス事業及び貸切事業を成長エンジンと位置づけ、高利益体質への転換を図るため、成長性、収益性、資本効率のバランスを重視した施策を推進してまいりました。

また、前連結会計年度(以下、「前期」といいます。)に連結子会社化したMDロジス株式会社との連携を一層強化し、同社が有する高度な物流ノウハウと、当社グループの輸送ネットワーク及びシステム群との融合を図ることにより、国内外における物流サービスの高付加価値化を推進してまいりました。この連結効果は、輸送事業の収益に通期で寄与しております。

この結果、当期の売上高は8,129億65百万円(前年比10.3%増)、営業利益は376億5百万円(前年比25.8%増)、経常利益は372億64百万円(前年比32.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は236億38百万円(前年比22.8%増)となりました。

輸送事業

当事業におきましては、主力である特積み事業において、全国展開する路線ネットワークを活かし、各重量・距離帯での適正運賃収受が進展するとともに、取扱貨物量に応じた運行体制の最適化や積載効率の向上に取り組むなど、費用の適正化と収益性の向上に努め、各種施策を推進してまいりました。また、ドライバーの時間外労働が上限規制される「2024年問題」への継続的な対応として、O.P.P.(※)の取り組みを通じ、企業の垣根を越えた輸送の共同化や非効率エリアの補完を図ることで、輸送ネットワーク全体の最適化を推進してまいりました。

一方、物価上昇の影響による個人消費の伸び悩みを背景に、取扱貨物量は前年実績を若干下回る水準にとどまりました。また、ドライバー不足や労働時間規制への対応により、傭車・外注費は引き続き増加傾向で推移いたしましたが、配車業務の高度化やお問い合わせ業務の自動応対などデジタル技術やAIの活用による省人化の取り組みも進めてまいりました。

拠点展開においては、西濃運輸株式会社名古屋北支店(愛知県清須市)の新築移転、同横浜支店(横浜市)建て替え、同金沢支店金沢倉庫(石川県金沢市)の新設、ならびにセイノースーパーエクスプレス株式会社松本営業所(長野県松本市)及び四日市営業所(三重県四日市市)の移転などを実施しました。物流施設の再編、既存拠点の機能強化を進め、ロジスティクスインフラの充実を図ることで、輸送品質の向上に努めております。

この結果、売上高は6,308億90百万円(前年比13.9%増)、営業利益は274億25百万円(前年比32.2%増)となりました。

(※)…O.P.P.とは、オープン・パブリック・プラットフォームの略称。社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)、物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらには社会インフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想・手法。

自動車販売事業

当事業におきましては、乗用車販売において、新車の供給環境は、メーカーの法規対応による供給制限の継続、また自動車取得時に係る環境性能割の廃止に伴う登録時期の後ろ倒しなどの外的要因により、新車販売台数は、前期実績を下回る結果となりました。そのような中でも、一台当たりの利益確保に向け、直販体制の強化をするなど商談プロセスの見直しを進めることで、収益性の向上に努めてまいりました。

中古車販売では、U-Car商品化工程の効率化を図り、各店舗における展示車両の充実と回転率の向上に取り組んだ結果、小売販売台数は堅調に推移いたしました。

トラック販売においては、過年度のメーカーの認証不正の影響により一部車型において生産停止が継続したほか、モデルチェンジの狭間期によりメーカーの生産計画の影響を受け、新車販売台数は前年実績を下回る結果となりました。

拠点展開においては、トヨタカローラネッツ岐阜株式会社カローラ高山店(岐阜県高山市)の新築移転、同カローラ中津川店とネッツ中津川店(岐阜県中津川市)の統合、岐阜日野自動車株式会社萩原営業所(岐阜県下呂市)と高山支店(岐阜県高山市)の統合を実施しました。店舗及びサービス工場のリニューアルや再編を推進し、CS(顧客満足度)の向上及び店舗運営の効率化を図っております。

この結果、売上高は1,103億46百万円(前年比4.3%減)、営業利益は69億17百万円(前年比3.4%減)となりました。

物品販売事業

当事業におきましては、燃料や紙・紙製品に代表される物品の販売を行っております。激変緩和措置の補助金の効果により燃料販売における販売単価は下落したものの、特に介護家庭紙を中心とした介護用品が底堅く推移したことから、売上高は409億26百万円(前年比5.5%増)、営業利益は13億14百万円(前年比12.4%増)となりました。

不動産賃貸事業

当事業におきましては、所有する土地及び跡地利用において、ポテンシャルを最大限に活かし、地域ごとに、より利用価値が高い賃貸などへのトランスフォームを推進してきたことから、売上高は24億56百万円(前年比4.3%増)、営業利益は18億10百万円(前年比4.6%増)となりました。

その他

当事業におきましては、情報関連事業、労働者派遣業、建築工事請負業、及び住宅販売業などを行っております。売上高は283億45百万円(前年比5.8%増)、営業利益は22億70百万円(前年比24.1%増)となりました。

わが国経済の今後の見通しは、雇用・所得環境の改善等により景気は緩やかな回復が期待される一方、物価上昇の継続や海外経済の不確実性に加え、中東情勢やイランを巡る紛争など地政学的リスクの高まりにより、エネルギー価格の変動や消費マインドの低下が懸念され、先行きは不透明な状況が続くものと見込まれます。

当社グループの主要な事業である輸送業界におきましては、労働人口減少下におけるドライバー不足、中東情勢による燃料価格の動向など、事業環境は引き続き不確定要因が多い状況にあります。

このような情勢のなかでも、環境対応、サプライチェーンの維持といった社会課題に対し、当社は「『Team Green Logistics』~共に創り、未来に貢献する~」のスローガンのもと、持続可能な社会の実現と物流業界の効率化を推進するとともに、多様なステークホルダーとの共創により新たな価値創出に取り組んでまいります。

その一環として、2026年4月1日付けで、山陰地域における共同輸送の推進やネットワークの最適化を目的に、当社と福山通運株式会社は、それぞれの傘下にある日ノ丸西濃運輸株式会社と山陰福山通運株式会社の共同株式移転により、合弁会社「TGL山陰株式会社」を設立いたしました。業務効率や営業連携を進め、安定的な物流サービスの提供を目指してまいります。

加えて、2026年4月22日付けで、物流業界の効率化や強靭な物流基盤の構築を目的に、当社はAZ-COM丸和ホールディングス株式会社と業務提携に関する基本合意書を締結し、両社の物流機能及び経営資源を相互に活用した取り組みを推進してまいります。

また、輸送事業のさらなる成長及び新たな価値創出を目指し、当該事業の領域を6つに細分化して、当社内に各戦略部を設置いたしました。グループを横断した施策推進を強化し、グループ間シナジーの創出に加え、O.P.P.を通じた新たな価値創出を加速させることで、「輸送立国」を実現してまいります。

自動車販売事業の乗用車販売においては、CS向上に向け、店舗及びサービス工場のリニューアルや商圏分析に基づく拠点の最適化を進めるとともに、整備士をはじめとする人材の採用・育成・定着に取り組み、教育制度の充実を図ることで、「お客様に選ばれる店舗づくり」を推進してまいります。

トラック販売においては、過年度におけるメーカーの認証不正により一部の新車において供給制限は続くものの、リースや保険等の金融商品の提案強化を図るとともに、費用負担が大きくなる路上故障リスクを低減するために予防整備を提案するなど、お客様のニーズにあわせた営業を行うことで、収益性の高い整備事業にも注力してまいります。

物品販売事業、不動産賃貸事業及びその他の事業におきましては、事業領域の拡大及び既存事業の強化を進め、グループ全体の収益基盤の安定化を図ってまいります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。


2026年6月

   代表取締役社長 田口 義隆

   代表取締役   田口 隆男